2007年度  6/28

 福祉・教育研究会次第

福 祉 ・ 教 育 研 究 会 次 第

時:平成19年6月28日(木)

                          午前10

場所:民主党愛知県議員団会議室

 (進行一鈴木 純事務局長)

1 会長あいさつ                  金沢利夫会長 

2 講 義                                                 

テーマ「障害者自立支援法改正後の実状について」

講 師 社会福祉法人AJU自立の家

        常務理事 山 田 昭 義 氏

3 質疑応答

T 障害者自立支援法の理念

 1.3障害一元化・地域移行・就労支援さして、市町村責任強化・障害福祉計画義務化など評価するべき点は多い。課題はその理念を如何に具現化するかである。残念ながら具現化するには余りにハードルが高く、多い。

 2.そもそも、この法律は障害者福祉の推進より政府の財政負担軽減を動機とし、制度設計の時間もなく目的もプロセスと問題を抱えたまま制定され、施行後2ケ月で見直しが与党から行われ、障害程度区分制度についても抜本的見直しを与党が決議するなど、混迷が続きそのしわ寄せが一番弱い重度障害者に課せられている。

U.抜本的見直しについて一私たちが望んでいること−

 1.障害程度区分の見直し

  わが国の障害観は旧態依然として、機能障害と極めて狭い概念から抜け出ていない。神田知事発言にも見られるように「不幸にして障害者…(云々)…」という考え方が一般

的である。しかし、国際障害老年行動計画(第34回国連総会1980年採択)の中で“障害は社会環境1)が作り出すもの…”との趣旨が謳われており、障害の定義(WHOr国際障害分類」1980年制定)とあわせ、機能障害より社会環境が障害を作るとしている。20数年を経過した現在の障害程度区分においても、いまだ社会環境を意図的に無視するシステムとなっており、心身の機能や基礎的な活動の状態のみから介護ニーズを評価しようとしている。これは介護保険の要介護認定も同様のシステムであり、本人の「何がしたいのか?」「どんな生き方をしたいか?」は全く斟酌しないもので、国連やWHOの考え方と全く異なり、国際的方向と全く相反している。

  1)国際障害老年行動計画の中で社会環境とは「一般的な物理的環境をはじめ、社会保険事業、教育、労働の機会、スポーツを含む文化的・社会的生活全体が障害者にとって利用しやすい」環境とされている。


2.障害者のサービス利用について

  前述のように、どんなに重い障害者でも、サービスの利用については障害程度区分に基づくものでなく、本人並びに保護者の意向によって利用できるものとして欲しい。また、ゆっくりと成長・発達する障害の特性に配慮するため、自立訓練や就労支援に見られる利用年数の制限を撤廃して欲しい。さらに重度障害者の長時間介助か保障され、地域各格差なく県内どこでも「必要な人に必要なだけの介助サービス」が受けられると同時に、知的障害者、精神障害者も長時間介助か受けられる仕組みをつくって欲しい。


3.障害福祉サービスの算定方法について

  支援に日額は馴染まないので月額に戻して欲しい。これは、重度障害者の施設利用が極めて不規則で、日々体調と相談しながら利用する事から、今日来る加東ないか不安定なものに、正規の職員の配置が経営的に難しくなったためである。これに対し、国や県は職員配置について、常勤換算でいいという。つまり、パートでもバイトでもいいというが、重度の障害者にとって自分の身の回りの世話は、正規の職員により安定的に提供される事を切望している(資料参照)。このように、障害者のニーズと経営的な職員配置とが乖離しており、この状況が続くような場合、不規則な利用をしたり多量のニーズを必要としたりする重度の障害者に応えきれない施設が現れることが予測される。その結果、立場的に弱い重度障害者の利用を断る施設が出てくるのではないかと危惧される。障害者が利用しやすい社会環境の整備という視点から、職員報酬について、安定的な職員の雇用を可能とする民間施設調整費を復活させて欲しい。


4.報酬単価見直し

報酬単価は、障害福祉サービス独自のものを除き、介護保険とほぼ同様に設定されている。現在の報酬単価の問題点は、コムスン問題で明らかになった。 2005年6月期には売上高509億円、当期利益11億円、2006年の報酬単価見直しによって法定内の介護事業(特に訪問介護)の経営は困難となってきている。障害福祉サービスならびに介護保険ともに、介護難民を出さないためには、安定した経営が可能となる報酬単価の設定が求められる。

 AJUの報酬を時間単価で比較すると、03年は3297円 06年は2353円と制度改定の度に、単価切り下げが行われ、福祉から人離れが起き、全国的に専門学校が定員割れの状況


5.応益負担は障害者にとって過酷である

 利用料の1割負担について、国は施設利用をする人も最低25,000円が残ると言うものであったが、現実は嘘であった(資料参照)。年金だけでは赤字で、施設から無理矢理退所する重度障害者が出てきている。これらの人が引きこもりに繋がり、社会参加をめざした在宅重度障害者の独り暮らしは無理となってきた。最低生活を保障するための障害者年金からの応益負担は、最低以下の生活となってしまうことから、所得に応じた応能負担に戻して欲しい。


6.障害者差別禁止条例制定

 「障害者の権利条約」が3月30日に開放され、ニューヨークの国連本部で行われた署名開始式 典で81カ国と欧州共同体(4月4目までに83カ国)が署名した。一中略一日本は署名しなかったが、「できるだけ早くしたい」(外務省)としている(福祉新聞2007年4月9日)

 神田発言に象徴されるように、障害者差別は厳しい。知事さんが本当に反省されるのなら、是非、千葉県のように「障害者差別禁止条例」を創るべきです。そうでないと県民は信用しません。

 民主党も神田発言に対してキチンとした対応を求めていかなければ、県民から反発されかねない。


7.自立生活センター創設

 第1期愛知県障害者福祉計画(2007年3月)において、「地域で生活している障害当事者が自らの経験をもとに支援するピアカウンセリングや自立生活プログラム等を実施するピアサポートグループ(自立生活センター)の設立支援について研究していきます。(第4章)」と記されている。

 これはとても大きな意味を持つ。障害者の能力を活かし、先輩として後輩と共に、自分が歩んできた道を後輩に伝承していく、所謂ピアカウンセリングの手法を使い、社会との

関わりをより深く持っていくためにも、是非実現していただきたい。

 障害者問題の専門家は障害者自身です。

資料@障害者自立支援法案の問題点解説

障害者自立支援法案の主な問題点

第一期愛知県障害福祉計画素案への疑問ならびに要望



資料@障害者自立支援法案の問題点解説

障害者施策をめぐる状況

 障害者施策はここ数年大きな変動期を迎えています。 2003年4月、これまで行政の権限で保護を目的としたいわゆる措置制度から、利用者が自分に必要なサービスを主体的に選ぶことのできる、利用契約制度による支援費制度が始まり、身体・知的障害者の施設、在宅の多<のサービスがこの制度に移行しました。

 この制度改革により、それまで障害者のホームペルプを実施していなかった市町村でも実施箇所が増え、これまで制度を利用できなかった多くの人が利用できるようになり、利用量は大幅に仲びました。

しかし厚生労働省はこの制度改変をニーズ調査や予算の増額をせずに行ったため、初年度の15年度、16年度とも予算不足に陥る事態になりました。これは支援費のうち居宅生活支援費(ホームヘルプなど)の予算が義務的経費(=国庫負担金)ではなく裁量的経費の補助金であるためで、厚生労働省は省内予算の流用や16年度は補正予算を組んでこの予算不足に対応しましたが、それでも全額をまかなうことはできず欠損部分は市町村が負担することになったのです。

 この予算不足の問題を受けて厚生労働省は支援費財源の安定的確保の道を探る動きをみせます。その一つめとして16年1月には介護保険と障害者施策を統合する検討に着手しました。介護保険も給付額が増大し、その対策として被保険者を20歳まで拡大し制度を安定させるねらいがあり、同時に対象者

の拡大つまり障害者の施策も介護保険でまかない、支援費の財政問題も解決していくというものです。

しかし、この介護保険拡大=障害者統合は経済界や障害者団体の反対から見送られることとなり、結果的には今年の介護保険法改正で18年度末までに検討をする旨の付帯決議がされました。

 財源確保の2つめの道は昨年突如出された障害者施策の改革案「グランドデザイン」です。昨年IO月の社会保障審議会で厚生労働省より提案され、ほぼ原案のまま「障害者自立支援法案」として国会に上程されました。この法案については多<の障害当事者、団体から疑問や懸念が示され慎重な審議を求める声があり、国会の審議の中で多くの問題点が指摘されています(次項資料を参照)。法案は衆議院で可決され参議院に送られましたが、郵政による解散によって審議未了となり廃案となりました。

 法案の審議の中では(表1)の通り、日本の障害者施策にかかる予算が他のOECD諸国に比べて極めて低い水準であるという指摘もされており、どのような施策体系となろうと

も障害者施策の予算拡充は不可欠です。また障害者自立支援法案は介護保険制度と極めて類似した制度です。厚生労働省は障害者施策の介護保険統合への地ならしとしてこの法案を提出してという見方もできます。しかし法案への反対や懸念も非常に強いことは、つまり介護保険との統合に不安が強いことの現れでもあります。障害者施策を保険財源でまかなうことが妥当なのか、障害者施策が介護保険のサービスと同様でいいのか財源

論意外にも議論はまだ尽くされていません。

表1 政策分野別社会支出の対国内総生産の国際比較



障害者自立支援法案の主な問題点

(1)高齢者向けの「要介護認定」を基にしたサービス尺度と市町村審査会−「非定型」

(長時間サービス等)の支給決定への個別審査は大きな問題

当法案では、「審査会」が(1)介護保険要介護認定と同様の方法で、障害者の区分を決め、さらに、(2)1人暮らしの最重度全身性障害者などヘルパー制度の長時間利用者の審査・抑制を行うことになっています。現状でも98%の市町村では1人暮らしの長時間介護が必要な障害者は必要なサービスが受けられないで死亡者も出る状況です。このような障害者はヘルパー利用者の0.1%しかいません。

最重度の障害者に対してこれ以上締め付けをする審査会での審査は導入すべきではありません。海外でも障害ヘルパーにこのような仕組みを設けている国はありません。

 また、市町村審査会の委員には、介護保険の審査会がそのままシフトすることを厚生労働省は想定しています。この場合、委員のほとんどが医師・看護師などの医療関係者や学者などの専門家と呼ばれる人となります。多くの医療関係者は病気を治す専門家であっても、障害をもって地域で暮らすということに関しては知識や経験をもっていません。市町村審査会は、本人に会うことも障害者宅を訪問することもなく、書類だけで判断することになります。この仕組みでは、地域で暮らす障害者に適切な支給決

定はできません。

 (2)義務的経費にも上限がある

 当法案では、個別給付は義務的経費化されました。厚生労働省は、「障害程度区分ごとに設定される標準的な費用額に利用者数をかけて計算される金額を上限と」し、「当該上限額を超えた部分は市町村の負担」になると説明しています。これは、長時間介護が必要な重度障害者にとっては死活問題です。

市町村にとっては、国庫補助がつかない部分は単費となり、支給が削減されることにつながります。

現在でも、入院中や通学での支援費利用は国庫補助がつかないので、すべて市町村の負担となり、数力所の市町村を除く多くの市町村で、この部分の支援費利用が認められていません。

 さらに、厚生労働省の案では、障害程度区分内でしか国からの補助金を使えない仕組みも検討されているようで、人口規模の小さな自治体では特に影響が大きく、国の示す「標準的な費用額」が事実上の上限となってしまいます。


(3)風前のともし火:移動支援事業

  「重度訪問介護」「行動援護」以外は、国の事業ではなく、市町村が実施主体である地域生活支援事業での「移動支援(ガイドヘルプ)」になります。地域生活支援事業は裁量的経費なので、予算を超える利用があっても画一都道府県の補助はありません。昨年度は128億、今年度は274億円の居宅介護支援の予算不足が見込まれており、省内予算の流用をしても不足する分はこれまで市町村が負担してきました。これが、支給決定の時間削減や新規サービス利用者の時間抑制をひきおこし、全国各地で問題になっています。地域生活支援事業での移動支援となれば、同じ現象がおきるのは必然といえます。

 また、今回の変革では、身体介護付きの移動介護がなくなり、行動援護か移動介護のみになってしまいます。行動援護については、「危険回避ができない行動障害を持つ知的、精神障害者」のみが対象とされており、移動介護を現在利用している知的障害者の内、対象になるのはわずか1割程度とみられています。つまり、それ以外のほとんどの移動介護は、地域生活支援事業の中の移動支援に移ることになります。

 移動介護は障害者の地域での自立・社会生活を支える不可欠のサービスであり、個別給付から外れることは極めて大きな問題です。

(4)重度障害者等包括払支援では、サービスが削減される恐れ

 ALSなど極めて重度な障害者は、生活上24時間の介助を必要とします。しかし、それが重度障害者等包括払支援になると、保障されなくなるのではないかと危惧されています。そもそも、重度障害者への長時間介護の保障は本人の責任とされるのではなく、社会がその自立生活を支える仕祖みをもっているべきで、それが自立支援法の本来の姿です。私たちは、重度障害をもつ仲間の介護時間が削減されることがないよう求めています。

(5)グループホームの再編は居住権の侵害

 重度障害者はケアホーム(共同生活介護)、中軽度障害者はグループホーム(共同生活援助)と障害の程度によって住むところが分類され、「障害程度が異なる」という理由で引越しを強要されるのならば、それは居住権の侵害です。また、グループホームに入居する障害者が個人としてホームヘルプを利用することが認められないなら、グループホームは職員からだけ支援を受ける密室化した入所施設と同じことになってしまいます。


(6)谷間の障害者がどこにも入っていない

 日本の人口に占める障害者の割合は24%、欧米諸国では20%近くと言われています。日本の障害認定の基準が狭いため、対象者が少なくなっているのです。それによって、本来、社会福祉サービスが必要な人が、サービスを受けられないということが起きています。たとえば、現在の障害認定では、難病の人は状態が変動するという理由で障害者認定がされず、生活上必要な福祉サービスが受けられなのです。難病等の慢性疾患者や高次脳機能障害、てんかん、自閉症等の発達障害者の人たちを対象に含めた総合的な福祉制度の実現は急務です。

 

(7)生活貧困者にさらなる打撃:定率(応益)負担

 定率負担(応益負担)とは、その人の所得に関係なくサービスを利用した分だけ支払う仕組みです。現在議論されている支払い金額の上限は、次のとおりです。

生活保護世帯 負担なし
市町村民税非課税T 15.000円/月 (年収80万円未満 2級年金の人等)
市町村民税非課税U 24.600円/月 (年収80〜300万円) 1級年金の人等
一般 40.200円/月 (年収300万円以上くらい)

現在支給決定を受けている障害者は、あって費用を払える人は5%しかいません。このように支援費を使っている障害者の95%は低所得者層です。月に811万円程度の年金や手当だけで生活しているので、毎月2万5千円を払ったら生活していけないが、払わなければサービスが受けられないという明らかな矛盾がおきます。

 精神障害者の通院公費負担についても、現在の5%負担から1割〜3割負担になるといわれています。

これは、精神障害者で福祉サービス利用者の42%が生活保護受給者であり、多くの障害者が低所得者層にいるという実情をまったく踏まえていません。所得保障のための施策を実施せずに、負担のみを規定する改革を実施するならば、精神医療を安心して受けることができなくなり、症状を悪化させる危険性があります。 12月の社保審・障害者部会では、生活保護への流入を避けるため、減免措置を講じるということが示されています。しかし、減免措置はこの問題に対する根本的な解決にはなりません。

                                                

障害者自立支援法案の疑問と課題

1.障害者自立支援法での自立概念について

質問1:この法案の自立とはどういう意味か。本人の「できる・できない」を基本としたADL自立か、支援費で理念として掲げた社会生活上必要な援助をうける自己決定・自己選択の自立か?

コメント:支援費で掲げた自己決定・自己選択の自立とは、自分がどんな生活を送りたいのか、自分で選んで決めて、介幼者の手助けで実現することである。たとえば、1時間かければ靴下をはけるが、介助者を使えば1分でできる。介助者にはかせてもらって、残りの59分を自分の時間として有意義に使いたいという考えが広まっている。大切なのは、本人がなにを「できる」「できない」ではなく、自立して社会生活を送れるようにするためにはどんな支援が必要かということである。

2.障害の定義と手帳要件について

質問1: 新たな認定基準を新設しなければ現在「制度の狭間」の障害の問題は解決されないが、どのように検討していくのか。

コメント:現在の障害認定基準で対象者を決めると、「制度の谷間」の障害者はサービスが受けられない。総合的福祉法へ向けても早急な対策が必要である。

質問2 :訓練等給付の認定についてはどのように対象を決め、アセスメントしていくのか。障害程度区分との関連はあるのか。新たな認定項目を設けるのか。

コメント:現行の障害認定においては就労上の困難さや稼得能力の制限を充分に反映していない。そのため就労上に困難が継続してあるにもかかわらず、障害認定されず、障害者福祉における就労支援等を受けることができない「制度の谷間」の障害者がいる。当事者を交えた検討会を立ち上げ、早急な検討が必要と考える。

3.支給決定の手続きについて

質問1:障害は多様で、それぞれ異なるニーズがある。障害当事者に会わずに審査会委員が、生活上に必要な支給量について意見を述べるのは問題である。「支給決定の透明化、公平化」を図る仕組みとはならない。審査会の役割は、障害程度区分の二次判定のみに止めるべきで、第22条第2項は削除するべきではないか。

コメント:障害者の生活実態に則した支給決定が必要で、ソーシャルワーク的な取り組みが要求される。

審直会の機能と合致しない。実際に支援を行っている支援事業者や支給決定権のもつ市区町村と当事者本人との協議により決めるべきところではないか。

質問2 :本人の意見表明の機会の保障や支給決定における権利擁護システムが必要ではないか。

コメント:支給決定の過程に当事者参加が保障されなければ、本人の生活状況や意向を充分に反映できない。書類のみを審査会にかけるのでは問題だ。本人の意見表明の機会

の保障や支給決定における権利擁護システムが担保されないと公平性にかける。

質問3:市町村審査会の委員には、利用者の現実的・日常的ニーズをもっとも知りうる障害当事者委員を利用者代表として必ず加えるべきと思うが如何か?

コメント:10月5日に公表された「障害程度区分等試行事業」では全国6oカ所の市町村審査会委員312名のうち当事者の委員はわずか9名しかいなかった。

4.重度訪問介護、重度障害者等包括支援等について

質問1: 介護保険の要介護認定は施設入所や家族介護を前提としており、地域で生活する単身独居の重度障害者の必要とする介護時間を充分に反映していない。重度障害者の長時間介護についてのタイムスタディーのやり直しや、そのデータの集積をもとに重度障害者の長時間介護類型について重点的な施策が必要であると考えるがどうか。

質問2:現在の支援費制度では、長時間介護の国庫補助については、他の区分で余っている国庫補助枠を、125時間の区分の不足分に充当することができた。そのため最大で125時間しか国庫補助がなくても、市町村は744時間といった長時間介助の支給決定をすることができた。区分間の流用ができなければ、744時間までの国庫補助が必要である。区分間を超えて国庫補助の流用は継続して柔軟にできるようにすべきであると考えるがどうか。

コメント:120時間以上介助が必要な重度障害者は、2003年度厚生省調査で障害ヘルパー利用者の0.06%しかいない。ヘルパー予算全体でみても大きな影響は与えない。しかし、長時間介助に国庫補助がつかない仕組みでは、こういった人は切り捨てられてしまう。

5.移動介護について

質問1:言障害者自立支護法でぽ、現在移動介護を利用している人が利用できなくなる、利用を制限されるという声が多くある。障害当事者が移動する時に必要となる移動介護は、障害者の社会参加に重要な役割を担っている。障害者が地域で生きるために必ず必要になる支援なのだから後退させることのないよう、むしろ拡充していくための施策を打ち出していくべきではないのか。

コメント:なぜ、現在の移動介護を地域生活支援事業やその他の個別給付に再編成しなければいけないのか、その合理的な理由は示されていない。支援費制度で行われている行動援護は、差別的な表現を含む判定基準を使い認定されるだけでなく、現在の移動介護利用者の数パーセントしかこのサービスの対象者にならないという調査がある。移動介護利用者の多くは、地域生活支援事業での移動支援事業の利用者となる。地域生活支援事業は国の事業ではなく市町村事業となるため、確実に実施されるのか、縮小されていくのではないかと不安が大きくなっている。

質問2:地域生活を担う移動介護は、個別のニーズに基づいてサービス利用ができる個別給付を原則とするべきであると考えるが、いかがか。

コメント:「柔軟な支援」ができるとする移動支援事業の中身は、複数人数での外出支援、緊急時の対応に加えて、移動計画が不要になると説明されてきた。しかし、支援費制度における個別給付で充分対応が可能となっている実態を見ると、個別給付から外れる説明とするには不十分である。かえって、集団での移動しか認めない、利用者でなく事業者の裁量に左右されるといった硬直化を生み、利用者本位への流れを逆行させるものとなる。

    例えば、知的障害をもつ当事者は、家族以外の介腹巻と外出を通じ生活の幅を広げ、自己決定を尊重、支援される機会をもつことに意義があり、個別給付による支援が必須である。したがって、移動介護が明確に位置付くことを真に強<要望するが、行動援護または重度訪問介護の対象者を広げる、もしくは、地域生活支援事業の移動支援事業を請求権に基づく個別給付として保障し、そのための財源保障を確実にすることで、サービス後退の歯止めとなる策が必要となるだろう。ポイントは、個別給付での移動介護を三障害にまたがって位置づけること。そのための財源を確保する仕組みをつくることである。 地域生活支援事業が人口比を換算で国からの補助金が決まるならば、現在移動介護を積極的に取り組んでいる大阪では、今のサービス水準を維持できない。××市は約6億円の予算が必要になる。この内、国からの補助金が3億円。地域生活支援事業が人ロ比で予算が配分さると、約1意3千万円になる。

この1意3千万円には、移動支援事業だけではなく、地域生活支援事業で行われることになる手話通訳者の派遣などの事業費も含まれる。したがって、現在の水準を維持するためには市が独自で捻出しなければいけない部分がでてくる。これまで、施設から地域への移行に積極的に取り組んできた地域程、打撃をうけることになる。人口比十居宅サービスの充実に取り組んできた地域には、サービスを後退させない財源確保が必要である。

6.グループホーム、ケアホームについて

○参議院付帯決議十四において、「重度障害者であっても入居可能なサービス水準を確保するとともに (中略)グループホームの事業者の責任においてホームヘルパーの利用を可能とすることなど」が盛り 込まれた。「事業者の責任において」という文言が問題。

質問1グループホーム、ケアホームの居住者は、現在利用しているように、ホームヘルパー、移動介護の利用を可能とするべきではないか。利用者が、ホームヘルパー等を利用する際には、一人あたりの事業費に、ホームヘルプの利用料を上乗せするのが適切であると考えるが、いかがか。

コメント:世話人が行う支援内容とホームヘルプ・移動介護は、元々異なる支援目的があり

支援内容も異なる。居住形態がグループホーム等であっても、ホームヘルプ、移動介護利用にあたっては、事業と直接契約を行い、個別のニーズにもとづきサービスを利用する原則を変えるべきではない。(居宅と差を設ける合理的理由はない。)

質問2:法案を見ると、ケアホームについては「地域において」という文言がない。「障害者基本計画」においては、「施設等から地域生活への移行の推進」を明確に打ち出し、そのための施策に取り組むべきである。「障害者基本計画」との整合性という点からも、ケアホームの設置にあたって、例えば既存の施設のいくつかの居宅をまとめて(もしくは―つのフロアを使い)ケアホームと看板を付け替えることのないよう、設置基準を明確に定めるべきであると考えるが、いかがか。

コメント:ケアホーム、グループホームが地域における共同生活形態であることを設置要綱で明確にするべき。居住支援サービスで、20人を単位とすることはミニ施設を作るだけとなる。

7.自立支援医療について

質問1:自立支援医療に関しては、医療制度における給付のあり方について十分審議した上で取り組むべき課題である。福祉の制度と医療の制度との施策の整理が必要で、今回の障害者自立支援法において、自立支援医療については削除し、育成医療、更正医療、精神障害者通院公費助成べきではないか。

8.応「益」負担について

質問1定率負担の導入するその前提として、障害者の所得保障の在り方について検討し、必要な措置が講じられるべきである。したがって、それまでの間、定率負担を凍結するべきであると考えるが、いかがか。

コメント:定率負担できない、地域生活の破壊につながるという当事者の声に対して、制度維持のために「皆で支える仕組み」に転換するというのは、説明になっていない。

質問2 : 介護給付、補そう具、自立支援医療それぞれが−ケ月に全部、もしくは複数が必要になる障害者にとっては、現在考えられている個別減免等の諸制度がなされたとしても、それぞれの制度の上限額まで支払うことになれば、負担額は相当なものになる。合算した際の負担軽減措置も必要と考えるがどうか。

コメント:生活実態に基づいた、当たり前の生活を保障する負担の仕組みが必要となる。

何らかの減免が必要である。合算においても何らかの減免が必要である。

9.地域生活の基盤整備:サービスの財源、障害者福祉計画について

質問1:今回の障害者自立支援法の施設整備費においては、今までの国2分の1、市区町村2分の1から、国2分の1、都道府県4分の1、市区町村4分の1の予算配分になるとされている。市区町村負担軽減分は、確実に入所者の地域移行のための居宅介護の充実及び重度障害者の地域生活を保障する財源とするための方策を検討すべきである。

コメント:施設偏重の予算配分を是正し、施設から在宅への流れ等を確かなものにする、精神障害者の社会的入院を解消等するためにも必要である。

質問2:障害福祉計画策定において、必要なサービス利用量を明確にするために数値目標を設定することは非常に重要である。障害福祉計画を策定するための策定委員会を各市町村に設け、サービスを利用している当事者の視点も含めたデータ分析、目標設定が行われるよう基本指針で明確にするべきでないか。

コメント:障害福祉計画の数値目標設定については、その手続きを明確にすることが大切である。どのようなデータに基づいて目標設定を行うのか、策定に関わる構成員は誰なのか、透明性を担保しつつ、合理的に策定されるべきで、そのためにガイドラインが必要になる。又、介護保険のゴールドプランの時のように、数値目標を具体化していくためにもマンパワー等の基盤整備に関する予算措置が必要である。

質問3:現在の精神病院には、地域の社会資源があれば退院可能な人々が、少なくともフ万2千人いるのは、厚生労働省も認めるところである。この入院解消の具体的な措置がこれまで講じられなかった事は、重大な問題であるといえる。都道府県の障害福祉計画において、社会的入院の解消計画を数値目標を含めてきちっと立ていくべきであると考えるが、いかがか。

コメント:先の国会での質疑内容を再度確認し、社会的入院の解消に向けた具体的な取組となるようにするべきであろう。


第一期愛知県障害福祉計画素案への疑問ならびに要望

1章について

  障害者福祉は。国の障害者自立支援法に基づき、市町村が実施計画を立てた計画内容を精査し、県が県民の公平と平等の原理により、地域間格差の是正、サービス内容に不公平のないように、県全体計画をまとめるものが今回の障害福祉計画と考える。

  それだからこそ素案で、「提供体制を整備」「円滑な実施を確保」と謳っている意味かおる。でなければこの計画そのものが最初から自己矛盾となる。

  しかし、以下の章の現状分析においても、計画にしても、障害当事者の実態把握、ニーズ把握のない、市町村の机上論になっている。

  何故ならこの3年間で障害者福祉は、「措置から契約」へと根本的に考え方を変え、当事者主体・自己決定をベースにした考え方が定着している。そんな中、障害当事者が何を求めているか、実態調査すら為されておらず、県としても実態が見えないままの障害福祉計画素案は、理念と計画が大きく乖離しているといえる。その意味において、害かれている内容に対しては何の疑義もないが、表題の枠の中に暫定値とある。これはもう既に計画の実効性を、始める前から放棄していると言えると言われても、いた仕方ない。

  例えば、2章の現状分析においても、2000年にWHOが採択した障害の概念について、愛知県は全く無視をするのか、WHOの障害の概念を取り入れるかにより、現象分析が全く違ってくる。委員会の方針では、障害とは何か? WHOの意見をどうするのか? 機能障害だけが障害か? 「参加・活動」の障害は全く無視できるのか?

  また、昨年1213日国連において「障害者権利条約」が全会一致で採択された。今年3月には批准され発効される。だとすれば我が国においても障害者権利条約が障害者福祉を考えて行く時に大きな指針になるはずである。愛知県においても、今後5年間の計画作りをする上で、この権利条約を無視して計画作りは出来ないのではないか、障害者権利条約は数年前から採択される事は周知の事実であり、愛知県において知らなかったでは済まされないはずである。

2章について

  現状把握をする上で、第1章での疑問だが、我が国の障害は機能障害しか、福祉サービスの対象になっていない。国の数値によれば650万人といわれている障害者とみると、愛知県の人口比でみると36万人が障害者と推定できる。計画素案における現状分析からも約10万人少ない。全国的に見ても愛知県に、障害者がそんなに少ないとは思えない大きな疑問である。

  県の素案の数値をもう少し分析してみると、身体障害音数は5年間で約24千人増加している。内18才未満は128人しか増加していない。 65才以上の発表はないから判らない

が、内部障害者は1万人余で増加者の45%を占め、身体障害者は1,1万余人が増加している。また、知的障害者は、18年では35,672人の内30%が18才未満とあり、福祉計画作引こおいても、福祉サービス施策についても、対応が大きく追ってくるはずである。

 つまり、身体障害の福祉サービスは、成人及び高齢障害者施策が中心であり、知的障害者は児童福祉施策が中心とならなければならない。

 この対応の違いについては、一言も触れられていない事は異常であり、現状分析が極めて稚拙との誹りは免れないのではないか。

何より愛知県では、ここしばらく、障害者実態調査すら行われていない。どんな計画作りをする上で、基礎資料が無い計画作りは極めて危険であることは、知る人で知る、であり今回の福祉計画そのものの信憑性が問われ、大きな疑義を感じる

障害福祉計画は誰のために創るのか。当たり前の事が忘れられ、置き去られている。基礎資料の中には、障害者が今何を求めているかのより正確な把握がなければ、計画素案は多くの障害者にとって意味の無いものに成りかねない事は自明である。

3章計画の基本的考え方について

  愛知の障害福祉の理念を基本目標では「自立と自己実現を支える福祉」とした。障害当事者にとっての自立、そしてそれを支える自己実現とは、地域に住む人々が障害の有無、障害種別や年齢にかかわらず、自立と共生の地域社会とした。課題は全ての障害者に、この考え方 が具体的に実現し、あまねく公平に行き渡ることである。

 名古屋市という大都会と田舎に暮らす障害者に格差かおることは許されない。県の大きな使命を自覚して害かれたものと考える。

 その為に、以下5つの考え方をもとに、計画の基本的考え方として、数値目標を設定し、地域において、適切なサービスを提供できる体制の整備に計画的に取り組むとしている。

@ 県内のどこでも必要な訪問系サービスが受けられるようにします。

A 希望する人に日中活動系サービスが受けられるようにします。

B グループホーム等の充実を図り、施設入所等から地域生活への移行を推進します。

C 施設から一般就労への移行を推進します。

D 障害のある人が安心して暮らしていける支援システム作りを進めます。

愛知県障害福祉計画は、1期と2期に分けて、状況に応じた計画内容の見直しを図り、実行していくとしている事は、確実に実行して行くとの決意が見え、大いに評価できる。

更には、目標の達成伏況、課題についてその解決策の検討と評価を行い、計画の着実な推進を図ると、県の強い決意が述べられている。

続いて、市町村と密接な連携を図り、広域的・専門的な視点から支援すると言い切っている。

それでも足りない基盤整備等で、広域的なものは、県、市町村、障害福祉関係者等で各圈域の保健医療福祉推進会議で対応していく。と今回の計画で上げた数値目標を二重、三重に実現を図るとの決意表明には、障害当事者にとって、極めて頼もしい計画と大変評価出来るものである。

ただ、地域移行は、短期的なものでなく、長期的なものにしなければ意味がない。一且施設は退所したが、直ぐに施設に戻ることが在ってはならない。計画は往々にして目先の数字に惑わされる。長期的ビジョンに基づいた計画づくりを切望する。少なくとも障害者の世界で使われている「施設渡り鳥」なるものを絶対生まない様にするという決意を計画の中に入れるべきである。

それだけに、上記に掲げられた愛知県の計画の基本的な考え方を具現化していくかが問われ具体的な方策が詳細に示されなければ、計画の実効性が担保されないと言える。

従って、上記5点の県の考え方に対して要望をする。

@ 県内のどこでも必要な訪問系サービスが受けられるようにします。

<要望@>

県内どこでも、「必、要な人には必要なだけのサービス」が受けられるように基盤整備をして下さい。そのためには、どのようにヘルパーを養成し、事業所を拡充していくかの具体的方策を計画に示して下さい。

A 希望する人に日中活動系サービス力

<要望A>

県内どこでも、希望する人に希望した日中活動系サービスが受けられる基盤整備の方策を具体的に示して下さい。また、施設入所支援を利用する人たちも地域の日中活動系サービスを利用できる道筋を愛知県として具体的に作って下さい。

B グループホーム等の充実を図り、施設入所等から地域生活への移行を推進します。

<要望B>

 「施設から地域へ」の道筋を考えるとき、グループホームだけが、「地域生活」の結果ではないはずです。むしろグループホーム等の「等」を明確にすることが大切です。従って、「地域生活」に大切な住宅施策について具体的に計画で示して下さい。

C 施設から一般就労への移行を推進します。

<要望C>

施設から一般就労への具体的な方策を計画に明示して下さい。そして、身体・知的・精神の障害種別ごとに数値目標を掲げることはさることながら、身体障害においては肢体不自由・聴覚・視覚・内部障害等々ごとに、その数値目標を掲げて下さい。

また、障害者が一般就労するためには社会が変わらなければそのハードルは極めて商いものであると考えます。一般就労が推進されるために、愛知県労働局とどのように連携をとり、進めていくのか計画の中で具体的に示して下さい。

D 障害のある人が安心して暮らしていける支援システム作りを進めます。

<要望D>

障害者の支援システムを考えるとき、相談支援事業はさることながら障害当事者による「ピ

アサポート」が極めて有効です。

愛知県下、10万人人口規模に1ケ所以上、障害当事者による「ピアサポートグループ」(自

立生活センター)を設立するよう愛知県として取り組んで下さい

4章 地域生活移行に向けた数値目標の設定と対応について

 3章における基本的考え方は、高く評価したい。今回の障害福祉計画について、国は実現できる数値目標を明記しなさいと、指導したことが特徴であり、如何に障害者の「入として生きる」思いを数字で示すかである。勿論架空の数字でなく、実現する極め″て具体的な数字でなければならない。

 県は地域生活への移行とは(p18)、入所施設の入所者が施設を退所し、生活の揚を共同生活援肋・共同生活介護・福祉ホーム・公営住宅等の一般住宅へ移したり、家庭復帰と規定した。

 そして、長期の入所が常態化し、本人の意向とは関係なく、施設入所に頼らざるを得なかった。と県の従来の施策について自己批判の上に、今回の数値目標が為されている。

@福祉施設の入所者の地域生活への移行についての疑義。

障害者の地域移行は一番近くにいる人は、身体障害者更生援護施設においてリハビリ訓練を受けている人たちです。 しかし、今回その施設入居者の対応について何にも触れていない。

意図的に外したものか。意図不明。その扱いによって数値は大きく変わる。

また17年度実績は、26施設74人としているが、その内訳が不明確の中で、具体的数値設

定は可笑しい。

A精神障害者の地域移行見込み数値についての疑義

国の退院可能な人は、6.9万人と推計している。愛知県は1,000人である。人口推定から考

えると、5,5%が愛知県としたら、6,9万人の5,5%は約3,800人と推計できるが、1,000人の根拠としたものは何か。大愛知県としては如何にも小さい数字ではないか。今まで精神障害者福祉が極めて遅れていた上での、単なる数字の積み重ねでは意味をなさない。

これまで全国的にも、在宅福祉が極めて遅れていた精神障害者福祉だけに、地域移行を進めていく上に、数字が先行するのではなく、数値目標を実現するための具体的施策が、明確に示されるべきでないと、何のための福祉計画だと批判を浴びることは必定である。

5章 障害福祉サービスの見込量と確保策について

@訪問系サービスについて

15:L7年度までの実績数字(p5)が、障害種別毎に報告されているが、サービス種類毎・保健医療圈域毎には掲載されていない。具体的に数値が明示されている中で、何故なのか疑義を感じる。各事業所は請求業務の中で、細かく具体的に請求業務を強いられているだけに、そんなに難しい作業とは思えない。圈域毎の発表が無いことに何か別の意図を感じる。

特に、重度障害者にとって地域移行を図っていくためには、訪問系サービス利用は必須である。しかも、障害が重ければ重いほど、24時間体制でのサービスが利用できなければ、命に関わる問題で、地域移行で素晴らしい理念を掲げられても、絵に描いた餅でしかない。

例えば、重度障害者が地域移行を実現するためには、重度訪問介護のサービスが利用出来る事業所の育成を回っていく事である。名古屋市の訪問系サービスの基盤を担う名古屋市社会福祉協議会ですら、重度訪問介護事業を実施しているが、朝8時から夜8時までと極めて限定されたサービス提供しか為されていない。その最も大きな要因は、訪問サービスを担うヘルパーさんの確保が出来ないからである。名古屋市以外の事業所では、ヘルパーさん確保が尚更厳しい状況にある。

人材養成は県の責務であると国は明言する。県として如何に人材養成を図っていくか、少なくとも事業所まかせでは、サービスを担うヘルバーさん確保が出来ず、「制度があってサービスなし」となる。如何に指導して、サービス提供実績を向上して行くか、愛知県としての具体的案がないと、重度障害者は地域移行が出来ず、夜間ヘルパーさんを必要としない軽い障害者しか地域移行が出来なくなる。

更に、地域間格差を小さくするという国の方針に反し、地域間格差は大きく広がり、しかも重度訪問介護の1時間あたりの単価が、身体介護の42パーセントしか支払われないという制度的欠陥を特つから、名古屋市をはじめ大都会においても、重度訪問介護サービスの担い手がおらず、サービスが受けられないことになる。

そのような状況の中、この数字は実現すると信じられだろうか。でなければ、明らかに公平・平等の理念に反する。そして、第3章で述べられた基本的考え方を根底から否定する結果になり、福祉計画そのものを否定することになりかねない。

A日中活動系サービスについて

サービス見込量から、訪問系サービスと日中活動系サービスを見ると、生活介護と自立訓

練における日中活動系サービスは、県下の地域間格差が小さく、国の方針に沿っていると見ることが出来るが、言葉を返すと訪問系サービスと極めてバランスを欠き、障害福祉計画そのものが、家族介護の依存の上に成り立っている事を裏付けていることになる。

地域移行は、家庭の基盤の上に成り立つのではなく、本人を中心に生活が成立し、家族との絆が築けることが、本来の自立であることは誰にも理解得られることである。

計画素案では、第4章で述べられているように、「本人の意向とは関係なく、施設入所サービスに頼らざるを得なかった」と断言し、反省したように、重度障害者から「私たちの意に反して施設に収容されている」と言われた時、言い訳は出来ないはずである。

本来あるべきサービスの形は、日中活動の地域間格差が極めて小さいだけに、日中活動と訪問活動サービスの均衡のとれたサービス体制を創る事が大切だ。県はどのようにして均衡の取れたサービスを実現するのか具体的に明示して欲しい。

◆就労移行支援について

障害者自立支援法の基盤の一つに就労問題かおり、愛知県の障害福祉計画においても、力を入れて取り組むことは必然と言える。 しかし、これまでの障害福祉の現場では、遅れている分野と言える。今回の愛知県障害福祉計画の中でも、これまで何故遅れてきたのかの分析もなく、ただ国の言い分を丸飲みに数字を合わせただけだとの感が否めない。

この計画で、本当に実現できるのか、愛知県下の名だたる専門家が集まって議論したにしてはあまりにもお粗末で、その専門性が問われ、結果責任かおることを自覚していただきたい。

厳しい言い方だが、そうした評価の下に、就労移行・就労継続A型・B型についてのサービス見込量を考察したい

◆ 機会があれば一般就労したいという障害者は多い。しかし、現実にはとても厳しい。機会があって就労した人も、継続して働き続けることはもっと厳しい。特に重度障害者は最も厳しい。例え健常者に負けない技術を習得したとしても、一般就労が叶わなかった事例が一杯あることをご存知だろうか。

  福祉計画の中で、18年と比して23年度は8.5倍の35,803人日/月としている。これは表面上の数字と言えます。何故なら支援法では、就労移行に当てはめた障害者は、原則3年で一般就労すると謳っている。それは19年の14,002人日/月の数字は、遅くとも22年度は一般就労を果たしていることになり、ゼロないしはそれに近い数字で、その上で  23年の35,803人日/月は新たに掘り起こした人だちと言うべきである。

 福祉計画はこの点を全く無視した取り組みで、18年についても、4,203人目/月についても、経済が上向いて末たとは云え、職務上ハンディのない障害者を求めている企業が現状の社会では極めて難しい。その上、19年度には14,002人目/月と一気に3,3倍という言葉は、何を根拠に、どんな新たな施策により実現しうるのか。具体的な根拠がなければ単なる数字遊びでしかない。或いは自立支援法を理解していないとしか

思えない。

 中でも知多半島圏域では、23年度は5,592人目/月と18年に比して14倍とは、3年で  就労をさせるという原則の上での、いくら地方自治体が出してきた数字とはいえ、その根拠も検証することなく、愛知県の福祉計画に取り入れること事態、専門家の見識が問われるものです。名古屋市のような大都会で、労働市場が大きい所ですら厳しいのに、余りに気宇壮大な数字遊びでしかないとの誹りは免れない。

◆ 就労継続支援A型に至っては、愛知県も、専門家も何を根拠にこんな数字がはじき出せるのか、極めて理解に苦しむ。釈迦に説法かもしれないが、就労継続支援A型は、労働契約を結ぶこと、つまり最低賃金(約月10万円)を保証するというものだ。

 素案(p27参照)によれば、授産施設の身体障害工賃は月32,215円・知的障害工賃は月1,600円。計画素案に示された数字に一部明らかな誤りがある。 AJU自立の家が運営している「わだちコンピュータハウス」の17年度平均工賃は月115,000円で、最高賃金をも上回っており、個人の最高工賃は200万円を越す。

  根拠とする数字が先ず違っている。その上、支援法をご存知ない。そんな人たちが福祉計画を創るとしたら、この計画案そのものに信用が置けるものと誰が思うのか。

  障害当事者にとっては命が、そして生活がかかっている。他人事で安易に決めないで欲しい。それほど障害者は厳しい生活が強いられていることを忘れないで計画作りをしていただきたい。

A居住系サービスについて

  24時間を通じた施設の生活から、地域での生活に転換を図るため(p37参照)、グループホーム・ケアホームそして入所施設が挙げられている。 日中活動と居住系サービスとに分けて、施設入所者の生活にメリハリを持だせようとする意図はとてもいい発想です。

 しかし、施設入居者が日中活動サービスを利用して、どんな生活をするのかのイメージが全くない。

 現にこの8ケ月の実情は、日中活動は旧態依然の生活で、療護施設の中での囲い込みで  しかない。障害者の思いと支援法のねらいは、日中活動はQOLな生活を創る。それは  居住施設から日々買い物等外出があり、カルチャーセンターあり、デイセンターに通う  等居住と日中を各々確立した生活を創ることを目指しているはずだ。

 この点について、愛知県福祉計画は平易に制度の説明しかしておらず、24時間・365日  限られた空間の中での生活は可笑しい。 と「本人の意向とは関係なく、施設入所サービ  スに頼らざるを得なかった」述べている反省が全く活かされていない。

 少なくとも居住サービスと日中活動を組み合わせて、如何にQOLな生活が作れるのか  示すべきだ。

重度障害者当事者の願い

1、障害者自立支援法の理念は、重い障害を持つ障害当事者にとっても、この理念が具体的に私たちの生活に、一つひとつ取り入れられたら素晴らしい。「どんなに重い障害を負っていても、生まれてきてよかった。生きていてよかった」と言える人生が創れるに違いない。

残念ながら愛知県障害福祉計画素案を読む時、理念は素晴らしいが極めて具体性に欠け空虚な数字しか並んでいない。理念が先行し、重度障害者が生きていくために、今何か障害であるか、何か必要なのか全く理解していない。厳しい言い方であるが、1981年国際障害老年のテーマは「完全参加と平等」と高らかに謳い。「障害は社会が作り出したもの」という意味を、完全に無視しているとしか思えない。

2、 2006年は障害者にとって大きな変化の年だった。先ず4月から支援法の一部が施行され、10月から本格的に稼働した。その2ケ月後には、補正予算という形で、支援法が見直された。国は欠陥が有りましたとは言わないが、明らかに法の不備から起こってきたことである事は言を待たない。

  そして、1213目国連において、世界の障害者の長く念願であった「障害者権利条約」  が全会一致で採択され、この3月には正式発効する。

  重要なことは、障害の概念が我が国の主流である医療モデルではなく、社会的モデルに基づいている。また、その中で「合理的配慮」という概念を基本においている事です。

  これは「社会が障害を作り出している」という国際障害老年の理念を、更に進化させていることだ。

3、愛知県障害福祉計画素案は、自立支援法の不備について目をつむり、採択された障害者権利条約の理念を完全に無視して、計画素案を作っている。

  今後5年間自立支援法の不備と障害者権利条約を愛知県が意図的に外し、何も触れず私たち重度障害者の生活が、自立支援法の理念と整合性のとれたものが実現して行くとは思われない。

  また、各種団体の責任者や学者・専門家も含めた委員会の中ですら、結果として無視されてきたことに、極めて大きな失望を隠せない。

4、更に大きな疑問は、素案の中で何故だか、教育の問題が全く触れられていない。ここにも意図的なものを感じる。障害者権利条約24条において「あらゆる教育段階、生涯学習におけるインクルーシブな教育制度の確保、その権利を実現するため、障害を理由に排除されないこと、自己の位む地域社会において、他の(障害のない)者と平等を基礎として、インクルーシブで質の商い無償の初等中等教育にアクセスできること。